妊娠と漢方薬について
妊娠と漢方薬について
ホームページ内ですでに説明していますが、一応追加説明します。
【妊娠中に安全に飲める漢方薬は?】
まず皆さんに知ってほしいのは、
「妊娠中に安全性が確立されている漢方薬は一つもない」ことです。
つまり、どの漢方薬を処方されても、添付文章を調べると「妊娠中の安全性は確立されていない」と記載されているのです。
一番わかりやすいのは、
21番の漢方薬:小半夏加茯苓湯で、
効能効果は妊娠嘔吐(つわり)の改善ですが、妊娠中の安全性は確立されていません。
その他、不妊に良い漢方薬も全て妊娠中の安全性は確立されていません。
誤解しないでもらいたいのは、
妊娠中の安全性は確立されていない=早産等のリスクがある ではなく、安全性を実際に実験していないということです。
逆に、早産等の報告がある漢方薬はわかっており、それ以外は安全と言い切ることなく、安全性は確立されていないとしているのです。
当院で妊婦さんに漢方処方する場合は、早産のリスク等が明らかな漢方薬を除外して処方していますが、少しでも気になる方は、妊娠中は漢方薬でも飲まない方が良いでしょう。
不妊治療のため漢方薬を飲みたい、又は妊娠していても飲める漢方薬を処方してほしい、というような希望の場合は、上記のことをよく理解してもらった上で処方することになります。
以上の内容は不安を煽っているものではありません。実際に妊婦さんの漢方治療で問題になっている例は、全国で見てもほとんどないです。
今回は、トラブル(処方後に薬の添付文章を調べたら安全性が確立されていないと書いてあった等)にならないように皆さんにあらかじめ知ってもらいたいため、コラムに投稿しました。