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「気のせい」は漢方で治療できる

 

 


 

■「気のせい」だから心配いらない

と言われても…

 

 

症状があるから検査したけど異常がなかった・・・

 

 

そのため担当医師は

 

「気のせい」だから心配ないです異常ありません、と言った・・・

 

 

 

 

でも

明らかに症状はある!

 

だから「気のせい」と言われても腑に落ちない、という経験をしたことがある人はいると思います。

 

 

 

 

その場合明らかな病気がないから、放っておいても大丈夫で、気にしないように努めて様子を見るしかないのでしょうか?

 

西洋医学的には、検査や診察で問題なければそのように結論づけられてしまい、治療法がないため

 

経過観察とするか精神安定剤を処方されて終わりのことが多いと思います。

 

 

 

 

漢方では・・・

 

 


 

■漢方では「気のせい」を治療できる

 

 

漢方では、「気」というものを重視し、

 

の異常で様々な症状が出ると考え、

 

「気のせい」は心配いらないではなく、 を治療することで症状を改善させることができると考えます。

 

例えば疲れやすい原因の場合で、西洋医学的な検査で異常はなくても漢方では「気」の異常が原因と診断できることがあり、その場合それを治療できるのです。

 

 

 

 

それでは、「気」とはどのようなものでしょうか?

 

 


 

■「気」の意味と西洋治療・漢方治療

 

 

気分 気力 気持ちなど が「気」で、

 

 

「気」がつくものは、目に見えないけど確かに存在するものです。

 

 

 

 

この「気」は漢方では非常に重要で、異常がある場合治療可能ですが、西洋医学的に「気」の異常の治療をするのは難しいのです。

 

西洋医学的な治療では精神安定剤などを処方されることもあり、そうしても改善しないことが多いと思います。

 

そのような場合、漢方の出番です。

 

繰り返しますが「気」の治療は西洋医学的には難しく、漢方では「気」の治療ができるのです。

 

 

西洋治療→「気のせい」だから治療できず、様子見か安定剤を処方される。安定剤の効果はほとんど無い。

 

漢方治療→「気のせい」は治療できる

 

 

ここを治療することで様々な症状を改善させることが可能になります。

 

 


 

■「気・血・水」とは

 

 

「気」は体内で作られ(※)、体内を巡ります。

(※「気」は体内で作られますが、生まれたときに親からもらい最初から備わっているもの(「気」)もありますが、難しい話になるのでここでは省略します)

 

「血液」や「水(血液以外の液体)」が体内を巡ることは皆さん分かると思いますが、「気」体内を巡るのです。

 

 

「気」と上記2つの「血液」「水」の3つのことを、

 

 (きけつすい)

 

と呼び、どれかに異常が生じると、体調を崩すことになります。

 

 

漢方外来では、「   のどれにどのような異常があるかを常に考えて診療します

 

この3つが体に過不足なく、かつ滞りなく巡っていれば健康で元気になれます。

 

今回、「血」「水」ではなく「気」の異常について説明します。

 

 


 

■漢方でいう3つの「気」の異常 

 

❶気虚 ❷気うつ(気滞) ❸気逆

 

 

 

「気」の異常は、

 

❶気虚 ❷気うつ(気滞) ❸気逆

 

の3つです。

 

 

 

❶気虚(ききょ)

 

「気」が少ない状態を気虚といいます。

 

原因として多いのは、「気」を体内で十分つくれないことで、「気」の産生量が少なければ気力も少ししかつくれないので、気力が出なくなります。

 

また、気力がでないとエネルギー不足になり疲れやすくなったり食欲が落ちたりします。

 

昼食後の異常な眠気なども気虚の特徴的な症状です。

 

例えば疲れやすいことに対し西洋医学的に診断がつかなく治療法がなくても、

 

 

漢方医学的に

 

「気」が少ない=「気虚」

 

の診断がつき、「気」を補う治療をすれば改善する可能性があるのです。

 

 

 

 

 

❷気うつ(気滞)

 

「気」は血液と同じように体内を巡りますが、途中で止まってしまって流れなくなることがあり、この場合を気うつ(気滞)といいます。

 

この状態で起こりやすい症状は、体のどこかの閉塞感(詰まった感じ)、気分の落ち込み、憂鬱な気分、午前中の不調などです。

 

「気」が流れず止まってしまいやすい場所は、咽喉(のど)の辺りと上腹部の辺りです。咽喉(のど)で「気」が止まると咽喉(のど)が詰まった感覚が出たり、気分がすぐれなくなったり落ち込んだりします。

 

 

 

 

上腹部で「気」が止まると食後すぐにお腹が張ったり、胃腸が動いてない感覚が出たり、様々な症状が出ます。

 

このような場合、例えば胃カメラで異常がなければ「気のせい」だから様子を見てくださいと言われることが多いと思います。

 

漢方医学的には「気うつ(気滞)」の診断がつき、「気」を巡らせる(滞っている「気」を流す)漢方で治療ができるのです。

 

 

❸気逆(きぎゃく)

 

「気」が流れる方向は通常、上→下(頭→足)ですが、逆方向の下→上に流れてしまうことがあり、これを気逆といいます。

 

気逆で起きやすい症状としては、冷えのぼせ、不安、動悸、悪夢を見やすい、などがあります。

 

また、気逆の人は物事に驚きやすいことが多いです。

 

 

 

 

この場合、「気」を正しい方向(上→下)に流す漢方薬で治療すれば改善します。

 

 


 

■実際の漢方外来では・・・

 

 

実際の漢方外来で診療していると、同じ患者さんにおいて

 

「気」の異常だけでなく「血」の異常もあったり、「気」「血」「水」全てに異常があったり、複雑なことが多いです。

 

「気」「血」「水」全てに異常がある場合、それぞれに対して漢方薬を処方することはほとんどありません。

 

漢方では、「気」「血」「水」の3つのうちで1番不調の原因になっているのがどれかを診察して見つけ出し、そこを改善させれば他も改善することが多いのです。

 

その理由は、体内の「気」「血」「水」が歯車のように嚙み合っていて連動しているためです。

 

そのため「気」の異常が不調の主原因だと診断できたら、まず「気」に対する漢方処方をして経過をみます。

 

また「気」「血」「水」全てに異常がある場合、

 

初めからたくさんの漢方薬を内服したら、たくさんの成分が混ざり合うことで十分な効果が出にくくなることもあるのです。

 

そのような理由からも、体の不調の一番の原因が「気」「血」「水」のどれかを正確に診断し、まずはそこから治療することが重要なのです。