インフルエンザ①(どう治療する?薬を使う?)
次の4つを説明します。
⑴どうしてインフルエンザにかかると高熱が出る?
⑵インフルエンザの薬について
⑶重要な説明
⑷結論
⑴どうしてインフルエンザにかかると高熱が出る?
まず、インフルエンザにかかるとどうして微熱ではなく高熱が出るのかを考えてみましょう。理由は、次の2つが分かれば簡単です。
①インフルエンザウイルスの特徴
②ウイルス感染すると発熱する原因
①インフルエンザウイルスの特徴
→(ウイルスが)ものすごい勢いで体内で増殖することです。
②ウイルス感染すると発熱する原因
→以前のコラムhttps://www.sono-cl.com/column/59/
で説明した発熱の原因をもう一度説明します。
体温が上昇したほうがウイルスが元気よく増殖しにくくなり、ウイルスをやっつける力が増します。
そのため、ウイルス感染すると体温が上昇するのです。
①と②から考えてみましょう。
短期間でものすごい勢いでウイルスが増えれば、体はどう反応しますか?
→インフルエンザウイルスは、普通のウイルスより勢いよく増殖する分、「増殖させるものか!!!!」という体の反応が強くなり、微熱ではなく高熱になるのです。
⑵インフルエンザの薬について
次に、薬の話をします。まず、インフルエンザの原因はウイルスであるため、
以前のコラム説明した通り、(ウイルスを)死滅させる薬はありません。
薬を使う場合は、次の二つになります。
①インフルエンザウイルスを増殖させない薬
②発熱・咳などの症状をやわらげる薬
まず、②の症状をやわらげる薬を考えてみましょう。
症状をやわらげる薬の欠点は、以前のコラムで説明した通り、治るのを遅くしてしまうことです。体力がない場合やつらい場合は使った方が良いでしょう。
①のインフルエンザウイルスの増殖を抑える薬は?
もし増殖が抑えられたらどうなると思いますか?
勢いよく増殖するのを食い止めようとして体が体温を上げるため、増殖が抑えられたら、熱を(高熱まで)上げる必要がなくなるのです。
早い時期(発熱後2日以内)に薬を使えば、
→ウイルスがそれ以上増殖しない→高熱を出す必要がなくなる
また、より早い時期ならば
→体内にそれほどウイルスはいない
→上手くいけば微熱ではなく平熱になり、1日でもう治ったのか?というくらい元気になることもあります。
ところが、発熱後3日経過すると、すでに大量のインフルエンザが体内にいて、ほぼMAX状態まで増えているので、増殖を抑える薬は無効になります。その場合は、体と大量のインフルエンザウイルスを(免疫で)闘わせて治す方法しかなくなります。
⑶重要な説明
次は重要な説明なので、ぜひ読んでください。
上の青字の部分をもう一度読んでください。
青字の状態だと、かかった本人は元気です。ところが、元気になっても最低5日間はインフルエンザウイルスが体内にいる可能性があるのです。
したがって、どんなに早く元気になっても5日間は他人にうつしてしまう可能性があることを絶対に忘れないでください。
仕事を長く休めないから・・・などの理由はその人1人の自己都合であり、早く元気になったからといって、その人が隔離しないために多くの人がインフルエンザに感染し、どんどん大流行させてしまうこともあるのです。早く元気になっても5日間は絶対に外出しないようにしましょう。やむおえない場合は(元気でも)必ずマスクをして、他人にうつさないように気づかいましょう。
⑷【結論】
インフルエンザの薬(増殖を抑える薬)は使った方が良いか?
絶対の答えはありませんが、使った方が良いと思います。その理由は次の2つです。
①一時的に使う薬であり、ずっと続けなければいけない薬ではないから。
②薬が効けば、闘わなければいけないインフルエンザウイルスの数が増えなくなり、楽に治せます。体力が普通にあれば、薬を使わなくても5~7日程度で治りますが、体力をかなり消耗することになります。
したがって、副作用が出ないならば使った方が良いと思います。