メタボの怖さ
前回、メタボの人は動脈硬化を起こしやすい人であることを説明しました。
一昔前、肥満・高血圧・糖尿病・脂質異常症(コレステロール・中性脂肪に異常がある人)の4つ全てを満たしていると、死の4重奏という表現をしていました。
メタボによって引き起こされやすい心筋梗塞・脳梗塞などは、日本人の死因としては、癌の次に多いです。
メタボになると、今現在何の自覚症状がなく元気に生きていても、将来心筋梗塞や脳梗塞を発症する確率が高くなります。
将来というのは、数か月先かもしれないし、3年先かもしれないし、10年先かもしれないし、いつ起こるかわかりません。動脈硬化は、目に見えないところで少しずつ進行していくのです。
メタボが怖い理由は・・・
心筋梗塞・脳梗塞の発症が突然であることがほとんどだからです。
ついさっきまで元気だった人が突然胸痛を訴えたり(心筋梗塞)、半身麻痺になったり(脳梗塞)、ひどければ意識を失って生命危機状態になったりします。
【国がメタボ健診に力を入れている理由】
メタボ→動脈硬化→心筋梗塞・脳梗塞になると、たくさんの医療費がかかります。現在、メタボの人は増え続けており、早期発見して予防・治療することを目指しているのです。このまま何の対策もしないと、膨大な医療費がさらに膨らむことになってしまうのです。
また、心筋梗塞や脳梗塞になったけど命は助かったとします。その後はどうなるでしょう。半身麻痺などになると、介護が必要になる可能性が高いのです。そして、メタボの人が増えて介護される人も増えていくと、若い世代が大変苦労することになります。さらに、介護の医療費が増え続けると、国民が支払う介護保険料が値上がり、家計を圧迫することになるかもしれません。
次回もメタボに関することを説明します。