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漢方薬:附子(ブシ)の正体は・・・

附子(ブシ)は、以前説明したサフランと同様に当院でよく処方する漢方薬の一つです。

正体は、・・・


トリカブトです。

びっくりする人が多いかもしれませんが、毒性はとってあります

 

<附子の効能>

 

痛みをとる→関節・筋肉などの痛みによく効く印象がありますが、他の色々な痛み(頭痛・生理痛・その他)に有効な患者様が多いです。

新陳代謝をよくする→血流が良くなります。

体を温める(②の結果とも言えます)→冷え性に良いです。冷え性の患者様が前述のサフランと両方内服することも多いです。

心臓の力を強くする心不全の予防にも有効と考えられます。

利尿作用があるむくみをとる効果も期待できます。

 

当院では、①と③を目的に処方することが多いです。

サフランや附子が保険適応になるのは、番号のついた漢方薬(例えば100番大建中湯、23番当帰芍薬散など)と同時に処方される場合のみです(附子やサフラン単独の場合保険適応なし)。

 

一例として32番人参湯、100番大建中湯などは身体を強力に温めます。そのような漢方薬がよく効く人に附子を加えると、人参湯や大建中湯の効果がさらに高まることが多いです。

つまり冷えが強い人が何らかの漢方薬を内服していて有効な場合、附子を加えるとその漢方薬の効果が高まるのです。

 

<附子の禁忌・欠点>

欠点は、サフランと同様に妊婦さんが内服できないこと(薬の値段はサフランと比べて安いです)、また、粉末が細かくて飲みにくいという患者様もいます。

 

<附子を処方して良かったと思える症例>

西洋薬の痛み止めを減量したいという患者様に、附子+番号のついた漢方薬を処方した結果、西洋薬を減量できたということがありました。

痛み止めとして、西洋薬のような切れ味はありませんが、附子を内服することにより西洋薬の痛み止めを減量できる可能性は十分あると考えられます。

 

 

 

 
 
 
 
 
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